咲き誇るものは忍の恋なり
「うっ............!」

「何だ.........!?」

驚く男と女に

「その2人から、手を引いてくれないか。」

という海の声が届く。続いて

「その2人について、私達は国から全てを任されています。」

と結合が説明した。

「お前達のような子供がか.........?ハッ、戯れ言はよせ。」

男は信じないようだ。それに

「本当です!美結達は忍です!」

「おとなしく手を引いた方が身のためです。これ以上干渉するのであれば、任務妨害とみなしますが。」

美結と真が言った。

「あなた.........この子達の言うことが本当ならまずいわ......」

「くっ.........」

任務妨害は法で裁かれる。もしそれが国.........いや、世界の危機ともつながるこの事態であれば、罪は重くなるだろう。

「......わかったわ。」

「俺達は手を引く。」

2人の納得の出来る答えのようだ。

「助かります。」

海が微笑んだ。

「.........じゃあ、俺達は戻る。」

「じゃあね。」

男と女は結合らにそう言って走っていった。

「よし、早いとこ縄外すぞ!」

星羅の言葉に

「「り!」」

「じゃあ俺が冴音を。星羅は紫音を頼む。」

とそれぞれが返事をする。それぞれ、とは言っても、大方揃っているのだが。

「おう!」

澄晴と星羅が冴音と紫音の縄を外しに行く。

「.........殺そうとは思わないのですか?こんなに隙のある時なのに。」

冴音が不思議そうに聞いた。

「「え?」」

結合らは驚いた様子で声を揃える。しばし目を合わせる結合ら6人。やがて結合が

「そんなこと思わないよ。私達は殺すんじゃなくて貴方達に何があったのか、それを受け止めて、平和にしたい。.........それじゃ、ダメかな?」

と言った。

「何も悪いことはないぜ!」

「あぁ。」

星羅と澄晴がそう言って笑う。
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