咲き誇るものは忍の恋なり
「.........結合......」

結合の父が消え入りそうな声を出した。

「はい!父上......」

結合はすぐさま返事をする。

「ありがとう.........もう俺はもたないだろう.........ありがとう、生まれてきてくれて......最期に1つ、頼みがある。」

「!!頼み............?」

「......結合、結糸を、お前の姉を、救ってやってくれ.........!闇に堕ちてしまった、結糸を...............!!」

「.........お姉ちゃん.........?」

「紫音のことか.........」

「頼ん.........だ.........ぞ.........」

そう言って。結合の父は眠ったように動かなくなった。

「.........亡くなった............」

澄晴がぽつりと呟いた。

「そんな.........嘘だよね......!?ねぇ.........嘘って言ってよ.........!!嫌だよ!父上も母さまも............!」

結合が涙をこぼし澄晴にすがりつく。

「............残念だが.........」

澄晴は結合から目を逸らした。その時

「.............結合!!」

海が突然叫んだ。

「海............?」

結合が驚いたように海を見る。

「お前に迷っている暇なんてあるのか!?確かに、親父さんが亡くなったのは俺も悲しい.............けど、それなら親父さんの最期の願いを、お前が叶えてやるべきじゃないのか!」

海は強くそう言った。そうするべきだと信じている目だ。

「........!うん..........そう、だね............」

結合は頷いた。

「結合!」

「結合。」

「結合!」

「結合。」

美結、真、星羅、澄晴が結合の名を呼ぶ。

「「仲間でしょ、一緒に行こう」」

海も加えた5人の言葉が重なった。その言葉に

「.........うん!」

結合は笑って返す。だが

「冴音.........?」

その中で、冴音の様子がおかしい。

「僕は......皆に、言っていないことがあります。」

冴音が言った。

「「え............?」」

「僕が今まで1度も、誰にも話したことのない話です............」

「.........冴音、話して?どんな話も、私達は受け入れるから。」

結合が微笑んだ。冴音は安心したような顔で頷いた。
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