咲き誇るものは忍の恋なり
「.........これは紫音にも話していないことです。......ですが、あの時彼女はすでに気がついていたのかもしれません。............僕は、不老不死です。老いることもなければ死ぬこともない。」
言いながら冴音は“あの時”を思い出していた。戦いの前、この本拠地で紫音と交わした言葉。
『......ずっと、そばにいてくれますか?』
『......はい。出来る限りであれば。』
“出来る限りであれば。”紫音は確実にそう言った。冴音が不老不死ということに気がついていたのかもしれない。.........紫音が去った今、真相は解らないが。
「あれはいつのことだったか.........もう、ずっと昔のような気がします。」
冴音は1つ1つ思い出すように言った。
「唯一能力を持っていて特異だった僕を人間は忌み嫌った。ですがある時、急に和平を持ち掛けてきたのです。.........僕はそれに応じました。その和平の場で出された飲み物がありました。それは1種の毒だった。......人間らは僕の死を望んでいたようでしたが.........その時は今のように学問も発達していなかった。皮肉なことですね......死を望んでやったことなのに、遠い今、僕が生きている.........その毒で、僕は不老不死になってしまったんです。」
皆が息を飲む。
「それと.........」
冴音は続けた。心なしか先程より表情が暗い。
「紫音も.........僕と同じ、不老不死です。彼女本人は知りませんが.........紫音が僕のもとに来て3年程経ったある日、紫音は不老不死の毒を誤ってのんでしまった。紫音の成長は、もう少しで止まります。“不老”とは言えど、実は僕らは15歳までは老いるのです。それ程、当時の学問は未発達でした。紫音が飲んでしまったものも、僕が飲んだものとほぼ同じだったので.........」
冴音は語り終える。驚きからか、誰も声を出さない。
「............そっか.........」
しばらくして結合が言葉を発した。
「.........ま、冴音は冴音だろ?」
「仲間だろ?」
星羅と澄晴も言った。
「だな。」
「気にすること無いよね!」
「あぁ。」
続いて、真、美結、海も言って冴音を見る。
「大丈夫。.........一緒に行こう?」
結合が冴音に手を差し出した。冴音は驚いたような顔をし、すぐに微笑んで結合の手を握り返した。
「よろしくお願いします。」
冴音が仲間に加わった。ついに結合達の言葉が届いたのだ。
「.........さて、あとはお姉ちゃんだけだね.........」
結合が緊張した面持ちで言った。
「.........よし、行こう!」
「「ああ!!」」
皆の心が、重なった。
言いながら冴音は“あの時”を思い出していた。戦いの前、この本拠地で紫音と交わした言葉。
『......ずっと、そばにいてくれますか?』
『......はい。出来る限りであれば。』
“出来る限りであれば。”紫音は確実にそう言った。冴音が不老不死ということに気がついていたのかもしれない。.........紫音が去った今、真相は解らないが。
「あれはいつのことだったか.........もう、ずっと昔のような気がします。」
冴音は1つ1つ思い出すように言った。
「唯一能力を持っていて特異だった僕を人間は忌み嫌った。ですがある時、急に和平を持ち掛けてきたのです。.........僕はそれに応じました。その和平の場で出された飲み物がありました。それは1種の毒だった。......人間らは僕の死を望んでいたようでしたが.........その時は今のように学問も発達していなかった。皮肉なことですね......死を望んでやったことなのに、遠い今、僕が生きている.........その毒で、僕は不老不死になってしまったんです。」
皆が息を飲む。
「それと.........」
冴音は続けた。心なしか先程より表情が暗い。
「紫音も.........僕と同じ、不老不死です。彼女本人は知りませんが.........紫音が僕のもとに来て3年程経ったある日、紫音は不老不死の毒を誤ってのんでしまった。紫音の成長は、もう少しで止まります。“不老”とは言えど、実は僕らは15歳までは老いるのです。それ程、当時の学問は未発達でした。紫音が飲んでしまったものも、僕が飲んだものとほぼ同じだったので.........」
冴音は語り終える。驚きからか、誰も声を出さない。
「............そっか.........」
しばらくして結合が言葉を発した。
「.........ま、冴音は冴音だろ?」
「仲間だろ?」
星羅と澄晴も言った。
「だな。」
「気にすること無いよね!」
「あぁ。」
続いて、真、美結、海も言って冴音を見る。
「大丈夫。.........一緒に行こう?」
結合が冴音に手を差し出した。冴音は驚いたような顔をし、すぐに微笑んで結合の手を握り返した。
「よろしくお願いします。」
冴音が仲間に加わった。ついに結合達の言葉が届いたのだ。
「.........さて、あとはお姉ちゃんだけだね.........」
結合が緊張した面持ちで言った。
「.........よし、行こう!」
「「ああ!!」」
皆の心が、重なった。