咲き誇るものは忍の恋なり
「「結合.........!?」」
結合だ。冴音を庇ったのだ。
「ゲホッ!」
吐血する結合。自分に回復術はかけられない。澄晴が結合に触れ傷を治していく。.........だが、傷が深く結合の傷口は塞がらない。皆の顔が曇っていく。
だからだろうか、また何者かが近づき冴音を斬ろうとしていることに気がつけていなかった。だが、またもや結合だけは気がついていたのだろう。その重傷で動き、その何者かに
「不動縛!」
術をかけた。傷口から血が溢れる。その何者かは............誰もが予想できるだろう、紫音だ。
「紫音!やめて下さい!もう、君や結合達の傷つく姿を見たくない!」
「やめろ!紫音!結合達は、俺らを受け入れようとしてくれているんだ!」
「紫音!お前の過去も、全てを受け入れてくれる。結合達はそんな人間だって解るだろ!?」
かつての仲間達の呼びかけに対し、紫音は
「うるさい!うるさいうるさい!!黙れ!!お前らだって!裏切った!」
と叫ぶ。
「紫音......」
冴音が、静かに話し出した。紫音は目を冴音に向ける。どこか、何かと戦っているような目だった。
「紫音、落ち着いて聞いて下さい。君が辛い思いをしているのは、全て僕のせいです。.........君の母親は、父親は、君を売りたくて売ったわけではないんです。君がいることで、あの村は狂うと噂されました。日下部家は、必死に君を庇った。しかし、その気持ちも虚しく、君は誘拐され、売られてしまった......母親も父親も探し回っていましたが、見つけられるはずがなかった。.........君は、僕のもとにいたのだから。それなのに、母親と父親に罪はないのに、君に、母親に手を下すように仕向けた。申し訳ありません。......君の幼い時間を僕が壊してしまった.........」
「でもっ!母と父は違ったとしても......人間は私を、嫌った!」
一人称が俺ではなく、私になっている。ということは、今、心は紫音ではなく、結糸だ。
「“全員が”ではないでしょう?確かにそういう人間もいる。でも、皆に好かれる人間だっていないと思います。それと一緒ではないですか?色々なことがあったにせよ、母と父を実の姉に殺された君の妹の結合は、仲間も自分も僕達に傷つけられたというのに、受け入れようとしてくれています。僕はそれを信じようと思ったんです。君も、信じてみませんか?」
「!!」
紫音の目から、何かへの執着が消えた。
(.........今まで.........私のことをこれ程までに.........思ってくれた人がいただろうか............?)
「わあぁぁぁぁーッ!!!!」
紫音が絶叫する。そして
“ドサッ.........”
「「紫音!!」」
「お姉ちゃん!!」
「「結糸!!」」
倒れてしまった。その閉じた目からは、涙が流れていた。
結合だ。冴音を庇ったのだ。
「ゲホッ!」
吐血する結合。自分に回復術はかけられない。澄晴が結合に触れ傷を治していく。.........だが、傷が深く結合の傷口は塞がらない。皆の顔が曇っていく。
だからだろうか、また何者かが近づき冴音を斬ろうとしていることに気がつけていなかった。だが、またもや結合だけは気がついていたのだろう。その重傷で動き、その何者かに
「不動縛!」
術をかけた。傷口から血が溢れる。その何者かは............誰もが予想できるだろう、紫音だ。
「紫音!やめて下さい!もう、君や結合達の傷つく姿を見たくない!」
「やめろ!紫音!結合達は、俺らを受け入れようとしてくれているんだ!」
「紫音!お前の過去も、全てを受け入れてくれる。結合達はそんな人間だって解るだろ!?」
かつての仲間達の呼びかけに対し、紫音は
「うるさい!うるさいうるさい!!黙れ!!お前らだって!裏切った!」
と叫ぶ。
「紫音......」
冴音が、静かに話し出した。紫音は目を冴音に向ける。どこか、何かと戦っているような目だった。
「紫音、落ち着いて聞いて下さい。君が辛い思いをしているのは、全て僕のせいです。.........君の母親は、父親は、君を売りたくて売ったわけではないんです。君がいることで、あの村は狂うと噂されました。日下部家は、必死に君を庇った。しかし、その気持ちも虚しく、君は誘拐され、売られてしまった......母親も父親も探し回っていましたが、見つけられるはずがなかった。.........君は、僕のもとにいたのだから。それなのに、母親と父親に罪はないのに、君に、母親に手を下すように仕向けた。申し訳ありません。......君の幼い時間を僕が壊してしまった.........」
「でもっ!母と父は違ったとしても......人間は私を、嫌った!」
一人称が俺ではなく、私になっている。ということは、今、心は紫音ではなく、結糸だ。
「“全員が”ではないでしょう?確かにそういう人間もいる。でも、皆に好かれる人間だっていないと思います。それと一緒ではないですか?色々なことがあったにせよ、母と父を実の姉に殺された君の妹の結合は、仲間も自分も僕達に傷つけられたというのに、受け入れようとしてくれています。僕はそれを信じようと思ったんです。君も、信じてみませんか?」
「!!」
紫音の目から、何かへの執着が消えた。
(.........今まで.........私のことをこれ程までに.........思ってくれた人がいただろうか............?)
「わあぁぁぁぁーッ!!!!」
紫音が絶叫する。そして
“ドサッ.........”
「「紫音!!」」
「お姉ちゃん!!」
「「結糸!!」」
倒れてしまった。その閉じた目からは、涙が流れていた。