まだ恋は始まらない

手があったんだから、当然本体もあるよね？って本体って何？！いや誰？！

驚いて跳ね起きたらその勢いで手がズルリと落ちて視界が開けた。

「！？」

あまりに勢いよく跳ね起きたから、今度は目の前に顔が出現した。

当たる？！

そう思った時、手が落ちたから、本体がビクリと跳ねて顔が上がったので、何とかぶつかる事は避けられたけど。

「ん・・あぁ気が付いたんだ」

背後から聞こえた声に悲鳴が出そうだったけど、何とか我慢できた自分を褒めたい！

そう思って振り返ると、そこには社内で１、２を争う彼氏にしたい男の水口修也（みずぐちしゅうや）が居た。

「え・・と。！すみません乗っかってて」

って今は乗っかってないのに謝っちゃったよ。