窓の外は晴れ





美「…おはようごさいます……」



事務所のドアを開け、精一杯の元気を出したつもりだった。







佐「…暗いなぁ。
美織さ、もっと明るく挨拶できないわけ?」




マネージャーの佐々木は、台本を読みながら同時に携帯をいじっている。

携帯と交互に私を見てくるズレた眼鏡から覗く瞳は冷たかった

私はそんな佐々木の座っている椅子の前のソファーにドカっと腰をかける




美「…どうせ私は地味で暗いですよ」


佐「ハァ…久しぶりの仕事だってのにもうちょっと嬉しそうにしろよ。 俺がどれだけ頑張ってこの一本を取ってきたと思ってんだ」


美「…それは…感謝してますよ」




私はチラッと佐々木の顔色を伺うと爪をいじり始めた




佐「今日はラジオの仕事だから。時間は15分…最近人気急上昇の俳優『円衣裕太』の番組に、ゲストとして出る事になってる」



美「………円衣裕太…?」



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