窓の外は晴れ




紗「あんたこのまま逃げるの?」



美「…逃げ、なのかな…だけどね
私ずっと裕太の事、好きでいる自信あるの。
だから私、裕太の事追い続ける
それでいつか抜かす…そしたらもう一度聞いてほしい
私の気持ちを…それまで私のやる事は、今出来る事は、上に行くだけって…ムカつくけど…気付いてる…」



紗「…女優、続けるんだ?」



美「…紗保さん、裕太の事、支えてあげてくれませんか…
私の事、裕太と一緒に…最低な女だって…あんな女、早く忘れなよって、裕太と一緒に私の悪口を言ってもらえませんか…?」



紗「あんたの本当の気持ち聞いた私に、そんな事出来ないよ…」



美「お願いします…こんな事、紗保さんにしか頼めないんです…
紗保さんなら裕太の近くで裕太を支える事が出来る…お願いします…」



紗「本当にこれでいいのかな…」



美「これしか…今の私には…出来ません。」




紗保さんは黙って髪を掻きあげた




美「紗保さん、最後にもう一つだけ聞いてもらえますか…」



紗「ん?なに?…」



美「…裕太、最後に一緒に住もうって言ってくれたんです。このネックレスも、その時くれたんです…
もし、記者に撮られずに、スキャンダルにならなかったら私達ずっと一緒に居れたと思いますか?」



紗「それは…二人にしか…わからないよ。」




紗保さんは立ち上がり、最後に私に言った




紗「私、あんたの事一生許さない
でも裕太の事、このまま一生放っておいたら殺すから…。絶対にまた裕太の前に現れて、それで裕太に振られてよ。絶対に、裕太にもう一度会いに来て」




紗保さんはヒールを響かせながら事務所から出ていった



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