窓の外は晴れ





佐々木に連れられ、私はある大きな会社の社長室の前に来ていた。佐々木がドアのノックすると中から「どうぞ」と太い声が聞こえた



佐「失礼します」



佐々木の後について私も社長室に入ると、いかにもな社長が葉巻を吸いながらこちらを見ていた




佐「お久しぶりです富田さん。
時間作ってくださって、ありがとうございます」



富「何を言ってるんだ…佐々木に言われたら断れないだろ?」



富田はガハハハハと豪快に笑いながら葉巻の煙を吐き散らした。煙草とは違う独特な匂いにむせる




佐「それで…富田社長~、これがウチの今1番の女優なんですよ。ご存知ですか?瑞乃美織です」



佐々木に背中を押されて会釈をした



美「初めまして。瑞乃美織です」




富田は私を頭の先から爪先までジロジロといやらしい目つきで見てきた

気持ち悪い…
思わず声に出してしまいそうだった




富「気に入った。美織、いろいろ大変だったみたいだがもう大丈夫。俺がバックにいれば芸能界で困る事は絶対にないからな…」




富田は偉そうにそう言うと葉巻の煙を私に届くように吐き出した
私は顔色変えずにそれに耐えた




佐「では、富田社長よろしくお願いします。
本当にありがとうございます…」



富「おう、今夜飯でも行こう」



佐「勿論、喜んで…ではまた夜に…失礼いたします。」



美「…失礼しました……」






社長室を抜けると佐々木はすたすたと歩き出した。
私はそれを小走りでついて行く

まるで逃げるように車に乗り込む佐々木に不信感を覚えながら、その理由を訊いてみる事にした




美「今の、なんの社長なの?」



佐「この会社はいろいろやばい事にも手出してるから、美織もここに来ることがあったら用事が終わったらとっとと帰るんだぞ。」



美「…は?何してる人な訳?」



佐「知らなくていい。とにかくコネ以外で関わらない方がいいんだ…でもこの人がバックにいれば怖いものなんて無いから」




私は何故かものすごく胸騒ぎがしていた


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