窓の外は晴れ
その日の夜、私は佐々木が持参したやたら露出の多いドレスを身に纏った。
そして富田との約束の食事へと向かった
佐「富田社長!!」
佐々木が名を呼ぶと相変わらず葉巻を吸いながら軽く手をあげた
佐「お待たせ致しました」
富「いやぁ、待ってないよ。
座れ、ここの中華は最高だぞ?ほら、美織も。」
美「ありがとうございます」
次々と運ばれてくる料理はどれも見た目も味も最高だった
美「美味しい…
凄い美味しい中華ですね」
富「だろう?なかなか舌の超えた奴だな。佐々木、ちょっと美織と二人にしてくれないか?話がしたいんだ」
佐「わかりました。
では社長、ご馳走様でした」
佐々木は私の顔を見る事無く、そそくさと店から出ていく。まさか、このまま置いて帰らないよね?
不安がる私をよそに、社長は私のお皿にエビチリをよそってくれた
美「ありがとうございます
コレ本当に美味しいです」
富「いっぱい食えよ
なんだか痩せ過ぎてやしないか?精神的にきて食えなかったか?」
美「えぇ、まぁ……」
私はバツが悪そうに苦笑いをした
富「まぁ、佐々木のやり方はついてけない部分もあるだろうが、あいつは売れない奴には絶対に時間を使わない男だ。それだけは覚えておくといい」
美「はい…」
テーブルの上の料理を全て食べ終わった時だった
富田は後ろにずっとついていたスーツの男に何かを耳打ちした
富「では行こうか」
美「あ、お会計………」
富「お会計?ワハハ、面白い事を言うな。ここは私の店のようなもんだ。美織も好きな時に来て、好きなだけ食うといい。会計はいらない」
この人は一体何者なんだろう