窓の外は晴れ
ホテルに着くと富田は慣れた様子で中に入っていった。富田を見た従業員は慌ててフロントから出てくると深く頭を下げる
「社長、お疲れ様です」
オーナーだろうか、一際前に出て富田に挨拶する男を富田は見もせず、ずかずかと中に入っていった
私は軽く会釈をし速歩きの富田の後を小走りでついて行った
エレベーターに乗り込んだ富田が押したボタンは65階だった…
美「…私、そんなに高い場所に登るの…初めてかもしれません」
富「俺についてくるならこれからもっと高い景色を見せてやるぞ」
黙り込む私に富田は「冗談だよ」と小声で言った。
65階につくとそこに部屋はひとつしかなかった
富田はカードキーを取り出しドアを開けた
中は驚くの広さで、キレイな部屋だった。壁は一面がガラスになっていてここから東京タワーとスカイツリーが両方見えた
美「……凄い…」
富「…ここはどんなに金を出しても客には泊まらせない。俺の部屋だ。気に入ったか?」
美「はい…すごい素敵です…」
富「ここに住んでもいいぞ?」
美「え?……」
私は驚いて振り向き富田の顔を見た
富田は笑いながら、ネクタイを緩めると、溜息をつきながらソファーに座った。