窓の外は晴れ




シャワールームから出てきた富田は言った



富「美織も浴びてくれば?」




白いバスローブを着ながら、片手にシャンパンを持ち夜景を見る男なんて本当に存在したんだ…

これだけの高さとドンペリニョンが高級感を出してるだけで、例えば12階とかのマンションでやられたらドン引きだが…



シャワールームでシャワーを浴びながら考えた。私はこのまま流されて体を売るの?

佐々木の良い駒だな…

今頃あいつどんな顔してんだろ。
笑ってんだろうな…
富田社長のお墨付き…って


業界の中のお墨付きってそう言う意味だったのかな…
いやいや…わからない

そこまでしないと私はもう前みたいにテレビに出る事は出来ないのかな


円衣裕太のマネージャーの本田が言ったのか…いや、そんな力無いか。
もしかしたら、A社の社長が動いたのかな




円衣裕太の仕事はむしろ増えているのに、私はパタリと呼ばれなくなった…

私だけの力じゃ、どれだけの人気があったとしても簡単に芸能界ではやっていけなくなるんだろうな




結局、私達芸能人は会社やマネージャーの駒だし監督や演出家の人形だよな

売れる為に平気で枕営業してる子もいっぱい居るんだろうけどさ…

その子達は賢いのかもしれない



そんな事を考えてるうちに、シャワーだけでものぼせそうになった
少し飲み過ぎたかな…

私も富田とお揃いのバスローブを羽織り富田の元へといった。



富田は既にベットの中に入っていた





美「…お水、頂いてもいいですか?」



富「自分の好きなように使ってくれよ。この部屋は」





ありがとうございますとお礼を言った後に、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して喉を潤した


そして私はゆっくりとベットに近づき、富田の隣に横になった


< 113 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop