窓の外は晴れ
ふと全身鏡が目に止まった
貧乏オーラ出しまくり…か
確かに私、生まれは田舎だし…
なんとなくこの世界に飛び込んだ
顔も言われてみれば、田舎臭いかも…華が無いっていうか、紗保さんのような輝きはない…
なんでだろう。
私の方が若いのに…
円衣裕太も紗保さんもどうして…
言ってみれば花だらけの花畑の中で、どれよりも目に止まるような美しい華になれるのだろう。
あの輝きは、どこから漲ってくるの?
生まれ持ったカリスマ性?
恵まれていた?私はその華を引き立てる周りの花でしかいられないの…?
紗「泣くほど傷つく事を言ったかしら?」
振り向くとそこには紗保さんがいた
私は急いで涙を拭いた。
そんな姿を見て紗保さんは「全くもう…」と言い私の手を引くと椅子に座らせた。
自分の鞄から化粧ポーチを取り出すと私の涙で流れてしまった化粧を直し始める
美「あ、あの……」
紗「さっき私のファンだって言ったわね?」
美「はい。」
紗「…ありがとう」
思わず紗保さんを見ると紗保さんは「ほら、終わったよ」と化粧品を片し始めた
美「ありがとうございます…」
紗保さんは何も言わずにまたどこかに行ってしまった。その時、もう一人のモデルの人が話しかけてくれた
「紗保はね、原石の子には超厳しいんだよ」
美「え?」
「紗保が突き放した子達は、今みーんな売れてるの。紗保ね、見る目があるんだよ!良かったね」
原石…?
だから私が泣いてるのを見て戻ってきてくれたの?
ますます紗保さんのファンになってしまった
『では、そろそろ撮影始めますのでお願いいたしまーす』