窓の外は晴れ
佐「…って言ってもラジオは深夜。それまでの仕事は0だけどな…」
円衣裕太のホームページを凝視している私を無視し、佐々木はパソコンを自分の方に向け直した
私はソファーに深く腰をかけると溜息を漏らすように呟く
美「…私、芸能界…向いてないのかな」
佐々木は聞こえないフリをしてパソコンをいじり始めた。
美「…ねぇ、佐々木さん聞いてるの?」
佐「あぁ、聞いてるよ」
美「やっぱり私みたいな冴えない女は誰も認めてくれないかな」
佐「…まだ21歳…アイドルじゃ厳しいが女優志望ならこれから。まだまだケツの青いクソガキが何かする前から諦めるなよ」
美「…だって私もう芸能界に入って何年経つの?
流石に賞味期限感じるよ…」
佐「6年だな。
6年くらいで何言ってんだか。俺がお前を何故見捨てないか、わかるか?可能性を感じるからだ
原石なんだよ美織は。
顔もスタイルも悪いわけじゃ無い
なにか…" 売れるキッカケ" さえあれば…」
美「…でも私は演技も下手、歌を歌わせりゃ下手…
おまけに愛嬌がないって致命的だし暗いし…売れるキッカケなんて…」
佐「…そう、キッカケだよ!
キッカケなんだよ…」
佐々木は不気味な笑みを浮かべで私に笑いかける
それは楽しそうに悪事の計画を立てる子供のように無邪気で輝いていた。