窓の外は晴れ
夜になり私はドレスアップをした
白いドレスに着替えて髪をアップにした。
佐「美織、気合入ってるな」
美「だって、社長が来るんだもん。目立たなきゃ。」
嘘。大嘘。
社長が来るからではない
円衣裕太が来るからだ。
少しでも綺麗…とか、この間と感じが違うって思って欲しい
少しでいいから、花畑の中の周りの花から目立つ一輪の華になりたい…円衣裕太の前では特に…
佐「じゃあ、そろそろ行こうか」
美「…緊張する」
都内の高層ビルのホテル。大きなドアを開けるとシャンデリアやシャンパンが煌びやかに光る空間が広がっていた。
食事会というより、本気のパーティーじゃん
それでさえ怖気づいてたのに、食事会に来ている面子は誰もが知ってる俳優に女優に、大御所では芸人まで来ていた。
美「ななな…なんで私がこんな所に呼ばれるわけ?頭パニックになりそう!吐きそう!」
佐「落ち着け。俺が業界でどれだけ凄い男か知らないのか?俺が呼ばれたようなもんだ。
佐々木は今、どんな奴を育ててるのかってな」
美「え?え?何それ?え?
呼ばれたの佐々木さんじゃん。
え?すごい人だったの?え?マジ?初耳。嘘、無理」
佐「落ち着けって美織。
まだ会場に入ってもいないぞ、いつまで入口にいるつもりだ?一歩踏み出せ!」
美「むむむむりむりむりむり…」
その時、佐々木の言った言葉で私は更に硬直してしまった
佐「…やっぱり、さっそく発見!
円衣裕太!!ほらあそこ!」
佐々木が指さした先には、偉そうな人の隣でシャンパン片手に微笑む円衣裕太の姿があった。