窓の外は晴れ
美「………私…」
佐「…芝居だと思えばいいんだよ
美織は、なかなか振り向かない円衣裕太を落とすヒロインの役…。台詞も演出も、自分の思い通りに想像して主役になりきるんだよ」
美「…ヒロイン…主役…」
佐「色を売るったって、何も体を売れだなんて言ってないんだ。
美織の魅力を全面に使って円衣裕太を落とす。
仕事なんだから、本気で好きになる必要も無い。」
美「……」
佐「これを逃したら、本当にもうおしまいだぞ美織…頼むよ…6年間マネージャーしてきた俺を裏切らないでくれよ。
美織は絶対に売れる、間違いないんだから…」
美「…わかったよやってみる。
だけどもしダメだったらごめんね…、だって相手は超人気俳優。私なんか…振り向くわけ無いと思うし」
佐「円衣裕太には、事前に挨拶に行った時に美織の写真集を持っていった。
ここぞとばかりに美織を持ち上げておいた
円衣裕太も、美織のこと可愛いって言ってたぞ」
美「…そんなの、営業に決まってるでしょ」
私は何故か少しだけ赤くなった顔を、佐々木に見られたくなくて俯いて隠した。
売名行為への第一歩を了承した事に佐々木はとにかく喜んだ。
私が芸能界で活躍する為…
6年間も支えてくれた佐々木への恩返しの為…
私の今日の仕事は、円衣裕太に近づく事。