窓の外は晴れ





父「わっはははははは!
面白い子じゃないか。怒られてるお前を見てると、昔の母ちゃんと俺を思い出すな」




店長…いや、オヤジさんは豪快に笑い転げた




裕「ゲッ!て事は俺やっぱり親父似って事かよ勘弁してくれよ~」



父「ハッ!こっちだって迷惑だ!
似ないでくれるー?」



裕「なにが、似ないでくれるー?…だよ子供かこのクソ親父が!」



父「うるせー俺がクソ親父ならお前はクソガキだな!ヘッ!クーソーガーキ~~」





完全に取り残された私は静かに親子戦争を眺めていた。

どっちもどっちだが本気で悪意を言っているわけではなく、ノリでお互いをけなし合える関係を素敵だと思った

親子なら恥ずかしくて、なかなか出来たもんじゃない





裕「はぁ…せっかく美織を連れてきたのに。馬鹿な親父に付き合ってる暇なんかねぇから帰るわ」



父「おう!お会計は3倍になります」



裕「俺がせっかく喧嘩を終わらせたのにまた蒸し返そうとしやがって!だからお袋に振られんだよ」



父「バカ野郎!それとこれとは関係ねぇ!母ちゃんは俺のこの面倒臭いところが好きだったんだぞ」



裕「いつも溜息ついてたけどな。」





第二次親子戦争が始まったところで私は鞄から財布を出した。

それを見た円衣裕太はすかさず財布を奪い取るとまた鞄に閉まった




裕「何してるの?ここ俺んちなんだから飯代なんていらないよ?」



美「いや、でも悪いし…」



裕「いいのいいの。親父は俺の給料にたかってるんだから」




「仕送りと言いなさい仕送りと」すかさずオヤジさんが話に入ってきた





父「美織ちゃん、だったかな?お会計はいいよ。おじさん可愛い子はみんなタダにしてるから」




オヤジさんはとぼけた笑顔で優しく笑った




裕「少しは俺にも優しくしろよ」



父「ラーメン食わしてやってるだろ。仕送り増やしてから物言いな」



裕「はぁ、はいはい。
美織、行こうぜ!じゃあな親父」



美「あ、ごちそうさまでした」



父「おう、また来いよ。特に美織ちゃん!!!」






ガラガラと昔ながらの音がするドアを開け暖簾を潜り、円衣裕太は伸びをして外の空気を吸った


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