窓の外は晴れ
円衣裕太の愛車に乗り込み、お腹のいっぱいになった私は静かに窓から見えるネオンを見つめていた
しばらく走った頃、円衣裕太が口を開いた
裕「親父、騒がしくてごめんな
誰にでもあぁなんだよ」
美「凄い良い人に見えたけどな」
裕「はぁ?何処がだよあんな頑固親父…まぁ嫌いではないけどな」
美「ラーメン美味しかったな…
私、裕太の親って知らなくても本気で美味しいって思ったんだよ?本音だよ?」
裕「だろ?!親父はラーメンの腕だけは最高なんだ。
美織が美味しいって言ってくれた時、めちゃくちゃ嬉しかった」
美「お父さんのラーメンが本当に好きなんだね。」
裕「あぁ、小さい頃は毎日食わされてもうラーメンなんか見たくないって泣いた事もあったけど…
俺はあのラーメンで育ったってわけなんだよ」
美「あんなに美味しいラーメン屋、継ぎたくなるのわかるな」
裕「…中学の頃、あの店手伝ってたんだけど…その時から1度も親父の味に近づけなくて。
隠し味、教えてくれないんだよ。
お前にはまだ早いー!ってさ」
ラーメンの話をする円衣裕太は本当に楽しそうだ。
裕「芸能界入って忙しくなってからも、ふと思い出すっていうか…急に食べたくなるんだよな。あのラーメン…結構良く行ってるんだ」
美「あぁでもわかるかも、私も忙しい日々続いたら絶対にお父さんのラーメン屋さん行きたくなる」
裕「その時はいつでも言ってな
あの親父、適当だから店でも平気で寝るから24時間やってんだよ。
だからいつでも空いてるし、あっでも日曜の2時からは競馬だから開いてても作ってくれないけど」
美「なにそれ!お父さん適当すぎ」
二人でまた大笑いをした
丁度、車はお台場のところで車内から見える景色が凄く綺麗だった