窓の外は晴れ
挨拶をする佐々木の後ろから顔を出すと、男性と目が合った
美「…始めまして。
瑞乃美織(みずのみおり)です。
本日はお呼び頂き有難うございます」
完全に佐々木の後ろから出て頭を下げて挨拶をした
顔をあげるとそこに居たのは例の円衣裕太だ。
裕「始めまして円衣裕太です。
そんなにかしこまらないで取り敢えず……座って下さい!挨拶なら先日マネージャーの佐々木さんが沢山お土産持って来てくださって…」
円衣裕太は想像以上に、謙虚で腰が低かった
円衣裕太が椅子をすすめてくれたタイミングで、佐々木は流れの確認をしてくる。と待合室を後にした
私は緊張しながら円衣裕太の隣に座る
何故、緊張しているんだ…
彼の完璧な容姿に見とれたのもあるが、謙虚さには似つかない程のオーラを感じたからだ。
下手に見えるようでどっしりと構えている。敵を作らない対応にプロ意識を感じた
裕「…ふふ」
突然、円衣裕太が笑い出した
美「え?どうしたんですか?
何か私、面白い事しましたか?」
裕「いや…なんだか珍しいなぁと思って。…ほらこうやって隣に座ってくる人。大体の人は目の前に座ったり、端に座ったりするから」
美「あ!ごめんなさい…!!」
焦って立ち上がった私を円衣裕太は止めた
裕「いいよ。ここに座って…時間まだまだだし…なにか話しましょうよ」
美「……はい」
裕「すみませんね。わざわざ俺のラジオの為にあと1時間も待たせるなんて…退屈でしょ?」
美「いやぁ…私、暇なんで…。仕事も全然来ないし…このラジオの仕事だって凄い久しぶりで…
私みたいなまだ存在すらない奴が今一番人気ある円衣さんのラジオに出れる事が奇跡なんです」