窓の外は晴れ
円衣裕太は何も言わずに、まじまじと私を見つめる。
美「…あ、あの…何か?」
裕「いや、想像してた瑞乃さんとは違ったなぁと思って」
それって、こんな売れない冴えない女が来ると思ってなかったって事?
円衣裕太は、自分の鞄からガサガサと何かを取り出した。取り出した一冊の本は瑞乃美織の写真集
美「…それ」
裕「マネージャーさんが挨拶に来てくださった時にくれたんです。
俺この写真集の瑞乃さん見て、なんかもっとこう…きつい?っていうか強い?イメージ持ってて」
美「あぁ…確かにその写真集、全部メイクも衣装もカッコイイ系目指してて…それで」
裕「実際話したら、全然女の子っぽくて悩んだりとかしてて。凄く、話を聞いてあげたくなるよ」
円衣裕太はニカッと笑った
世の中の女性が円衣裕太を絶賛する理由が少しだけ分かった。
こんな笑顔は卑怯だ…
美「…女の子ぽいというか私、凄い馬鹿なのでそれがバレないように、マネージャーが勝手にカッコイイ系にしようって…」
裕「ふ…ふふ、あははは!
……ごめんごめん。
バカなのを隠すために?ふふ…やばいツボった」
円衣裕太はゲラゲラと笑い出した
親しみやすい人だなぁ
こんな人が本当に超人気俳優だなんて思えない
勿論、良い意味で。
裕「ごめん…でもなんかその理由聞いたら、更に可愛いよ」
美「可愛い?!」
裕「瑞乃さんはカッコイイ系よりも、その天然で可愛らしいのを売りにした方が良いと思うけどな」