窓の外は晴れ





下を向いたままの私は、ネガティブな発想しか無かった

あぁ~やっぱこんな汚い手編みマフラーなんか引くよね…bottegaだけにしとけば良かった…



裕「美織」




円衣裕太に話しかけられ私は恐る恐る顔をあげた

顔を上げると、目の前には私の編んだマフラーを首に巻き付けにっこりと笑う円衣裕太の姿があった




美「あの…」



裕「美織!これ超あったかい…
手編みだよね?忙しいのにわざわざ俺の為に作ってくれたの?嬉しすぎて泣くわ。大事に使うから…このマフラー、一生大事に使うから……」





そうマフラーを抱きしめながら言った円衣裕太の目からポロポロと涙が溢れた

心の奥がキュンっていうか…握り潰される感じがして、こんなマフラーなだけでこんなに泣く程喜んでくれる円衣裕太を、私は更に好きになった


今日だけでこんなにも円衣裕太の事をもっともっと好きになれた






出逢ってから今日まで沢山色んな事があったね…




会えない日々に不安を覚えた

忙しさに潰されそうな日に自信を無くした

会いたい時に会えない関係に、涙した夜が何度あっただろう

沢山悩んだね
沢山ぶつかってきたね

必死で芸能界にかじりついてきた1年間…沢山助けてくれたね…


いつだって心の隣には裕太がいたよ

裕太の心の隣には私がいたつもり


ここまで来るのに辛い事もあった分、沢山笑って好きが増えて、学ぶ事も多くて…

私達もう大丈夫だよね?


もうこれから先、何があっても離れる事なんてないよね。
沢山壁を乗り越えて今、一緒にいるんだもん

私達もう大丈夫…



< 90 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop