若頭に愛されて
唇が離れると、頭の上にポンッと手が置かれる。
「帰るぞ」
「……うん」
どうして急にキスなんかしてきたの…?
聞きたいけど、なぜか聞けないじぶんがいて。
ものすごくじれったい。
立ち上がると、怜央は地べたで私は一段上がった場所くらいで怜央の目を少しみあげるぐらいだった。
160㎝という身長は決して女子のなかでは低くはないのに。
一段上がって見上げるってことは180近く怜央の身長はありそうだ。
「どうした、未愛」
つい怜央の顔をじーっ、と見てしまっていた。
「い、いや…別になにも…」