若頭に愛されて
怜央から手を離そうとしたら、さらにぎゅっと握られてしまう。
「……っ……!」
まさかさらに握られてしまうとは思ってもいなかったので虚をつかれ唖然とする。
いつのまにか入り口についたようで、怜央が立ち止まった。
「もうここには来るな」
「……な……んで……」
あまりにも冷たくいい放つ怜央に涙が溢れそうになる。
「ここは危険なんだ。いつ何に巻き込まれるかわからない」
「でも……!」
「人の話は一回で聞け」
有無言わさぬ怜央の言い方にさらに胸が締め付けられていく。
もう、怜央に会うことはできないのだろうか。