若頭に愛されて
「琉香、今日いつも以上に元気だね。なんかいいことでもあったの?」
「ふふっ……♪聞きたい?」
「「「「うん」」」」
見事四人がはもり、言ったあと四人で顔を見合わせくすっと笑う。
「実はね~……栗原くんと話せちゃったのーーっ!」
……。
栗原くん?
待って。誰だっけその人。
なんか琉香が話していたような気もするが、人の話をいまいち聞いていないのが私の悪い癖で思い出せない。
「ねぇ、栗……」
聞こうとしたときにチャイムが鳴り途切れてしまう。
「ごめーん!いま未愛なんか言いかけたよね!?」
「ううん。先生来ちゃったからあとで言うね」
そういったものの、休憩時間や昼休みになっても"栗原くん"について聞けず仕舞いだった。