迷走女に激辛プロポーズ
「佑都に大野木楓との別れを懇願し、自分と結婚して欲しいと申し入れた方が、貴方の思いが早く伝わる。それに、結果の良し悪しは別にして、早く気持ちに区切りを付けられる。従って、輝く未来へ早く旅立てる。どう、そう思わない？」

白百合のような人は頬に手を添え、ウーンと考える。

あぁ、イライラする！
私は貴女の未来より、早く輸入食材専門店に行きたいんだってば！

「貴女ね！　佑都が欲しいんでしょう！　見合いなんて七面倒くさいこと言ってないで、とっとと行動してアピールすればいいの！」

白百合のような人はビクッと体を震わせ、そして、おずおずと問う。

「あのぉ、アピールってどうすればいいのですか？」

そんなの知らないわよ！　と心の中で吐き捨てる。

だが……と白百合のような人を見る。彼女は昔の私のようだ。親の言葉に従い、決まった道を歩いていた頃の私。そう思うと邪険にできない私がいる。

「――貴女は綺麗だし素直そうだし、そういう良いところを、たくさん佑都に見せてアタックすればいいんじゃない」

ついついアドバイスしてしまう。
何やってんだか……だ。
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