迷走女に激辛プロポーズ
第六章 俺がいないとどう思う?
結婚宣言速報事件から三日過ぎた水曜日。
「ちょっと面白くないけど、落ち着いてきたわね」
清香が部所内を見回し、残念そうな顔をする。
あの混乱ぶりの何が面白いというのだ? 私は居たたまれない状況に逃げ出したくなったぞ。本当、この人のS系思考には困ったものだ……。
「竜崎課長、書類の件、了解しました。白鳥課長が戻り次第お伝えし、お返事致します。ご用件は以上でしょうか?」
ハイハイ! 早く仕事に戻って下さい、と心の中で追い立てる。
「あっ、それとね……」
清香が大袈裟なほど顔を近付ける。
思わず、食われる! と身を避す。
「今夜、忘れないでねぇ。残業禁止。裏切ったらお仕置きよ!」
語尾が上がり、ハートのマークまで付きそうな甘い声。だが、最後の「お仕置きよ」の部分は本気っぽく、思わず顔が引き攣る。
「――了解です」
「ウフッ、じゃあね。楽しみだわぁ」
清香は満足そうに微笑みとモデルウォークで自席に戻る。
「ちょっと面白くないけど、落ち着いてきたわね」
清香が部所内を見回し、残念そうな顔をする。
あの混乱ぶりの何が面白いというのだ? 私は居たたまれない状況に逃げ出したくなったぞ。本当、この人のS系思考には困ったものだ……。
「竜崎課長、書類の件、了解しました。白鳥課長が戻り次第お伝えし、お返事致します。ご用件は以上でしょうか?」
ハイハイ! 早く仕事に戻って下さい、と心の中で追い立てる。
「あっ、それとね……」
清香が大袈裟なほど顔を近付ける。
思わず、食われる! と身を避す。
「今夜、忘れないでねぇ。残業禁止。裏切ったらお仕置きよ!」
語尾が上がり、ハートのマークまで付きそうな甘い声。だが、最後の「お仕置きよ」の部分は本気っぽく、思わず顔が引き攣る。
「――了解です」
「ウフッ、じゃあね。楽しみだわぁ」
清香は満足そうに微笑みとモデルウォークで自席に戻る。