迷走女に激辛プロポーズ
車が軽やかに走り始めると、「始めますか」と清香がハンドバッグから大振りのポーチを取り出す。
何をするつもりなのかと見ていると、遥香が初々しい女子高生みたいに、キャッキャッとはしゃぎ手を叩く。
「嬉しい! ありがとうございます。今日から私も清香様! ですね」
ナヌ! メドゥーサが二人! ギョッと目を剥く。
清香の赤い唇がニシャリと笑う。
「良い心掛けだわ。そうよ、女子会とて気を抜いちゃダメ。出会いの瞬間は一瞬よ。素敵な殿方は自らの美貌で引き寄せなくっちゃ」
私は目を見開く。何と! 清香のバックに蜘蛛の巣が現れたからだ。
メドゥーサ清香が、オオジョロウグモの化身となり、蜘蛛は絡め捕った若き獲物を四の字固めし生気を奪い尽くす。
恐い! ブルッと身震いし、イヤイヤこんな残酷なことは有り得ない、とゴシゴシ目を擦る。
「――ということで」
目から手を離すと、ぼやけた視界の中で清香がパンと手を打つ。
そして、いきなり清香のメークアップレッスンが始まった。
喜び勇んで参加する遥香と逃げ腰の私。
だが、清香に逆らえるはずがない。結局、最後は二人の手で弄ばれてしまった。
私の顔はいったいどうなったのだろう……何故か鏡を見せてもらえない。
グッタリしていると、見覚えのある坂をリムジンが滑るように上っていく。
何をするつもりなのかと見ていると、遥香が初々しい女子高生みたいに、キャッキャッとはしゃぎ手を叩く。
「嬉しい! ありがとうございます。今日から私も清香様! ですね」
ナヌ! メドゥーサが二人! ギョッと目を剥く。
清香の赤い唇がニシャリと笑う。
「良い心掛けだわ。そうよ、女子会とて気を抜いちゃダメ。出会いの瞬間は一瞬よ。素敵な殿方は自らの美貌で引き寄せなくっちゃ」
私は目を見開く。何と! 清香のバックに蜘蛛の巣が現れたからだ。
メドゥーサ清香が、オオジョロウグモの化身となり、蜘蛛は絡め捕った若き獲物を四の字固めし生気を奪い尽くす。
恐い! ブルッと身震いし、イヤイヤこんな残酷なことは有り得ない、とゴシゴシ目を擦る。
「――ということで」
目から手を離すと、ぼやけた視界の中で清香がパンと手を打つ。
そして、いきなり清香のメークアップレッスンが始まった。
喜び勇んで参加する遥香と逃げ腰の私。
だが、清香に逆らえるはずがない。結局、最後は二人の手で弄ばれてしまった。
私の顔はいったいどうなったのだろう……何故か鏡を見せてもらえない。
グッタリしていると、見覚えのある坂をリムジンが滑るように上っていく。