迷走女に激辛プロポーズ
「どうして皆、私に言ってくるのかなぁ」

何よそれ、と速攻でキツイ視線が飛んでくる。

「言葉通りです。『ファンクラブだ』『見合いだ』と言っていないで、佑都に直接アタックすればいいでしょう、ってこの台詞、何回言えばいいのでしょうかね」

溜息交じり言う。

「ファンクラブを裏切り、抜け駆けするなんて、ネェ」

モチヨの言葉に、姫子と円子の両名もウンウンと頷く。

本当、やってられない!

「あのね貴女たち! 建前はいいから本音で話して下さい!」

私の迫力に三人は身を寄せ合う。

「男女のお付き合いは、一対一が基本でしょう。一対多ってハーレムじゃあるまいし」
「じゃじゃあ、貴女は本気で白鳥様が好きで、お付き合いされているのね!」

三人の目が私をジッと見る。
だったら、何だって言うのだ、本当面倒くさい。

「佑都とは付き合っている。でも、好きかどうかを第三者の貴女たちに言う必要はない。私は好きなら好きと直接本人に言う」

キッパリと言うと、三人は顔を見合わせ、小さく溜息を付き頷き合う。

「本人からの告白。ハッキリ裏がとれたわ……。白鳥様は売約済み。次回の会報でファンクラブは正式解散よ」

三人はしょんぼり肩を落とす。
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