迷走女に激辛プロポーズ
理由は榊部長。彼は今、佑都に代わり広報宣伝課を取り仕切っている。とにかく張り切っている。楽しんでいる。乗りに乗っている。

それ故、禁断の起爆装置が作動してしまった。
彼のワーク・スイッチはズットON状態、よって、ズット鬼化しているのだ。

その一番の被害者が、佑都付き事務アシスタントの私。

通常の三倍以上の仕事を振られ、連日残業。
お陰でこの四日間、ヘロヘロのクタクタ。家に帰ってバタンキューの毎日だ。

まぁ、佑都を思い、グジグジする暇も無いのは有難いが……。

これ以上この状態が続いたら、塩をかけられたナメクジのようにデロデロドロドロになり、佑都の帰国を待たずして天に召されるかもしれない、と思う今日この頃。

だから、ご利益も無いのに、黒仏様! 本当にご勘弁を、と昼夜問わず、手を擦り合わせ拝んでいる。

嗚呼、そうだ……今日は木曜日だ……そして、明日は……。

待ちに待った金曜日! 今日を乗り切れば、明日は休みだぁ、と語尾に音符マークを貼り付け喜んでいたら、朝から部所内のスマホが一斉に鳴り出した。

『帝本社諸君に告ぐ。第三回シークレットパーティー開催! 【日時】八月二十二日(土)午後六時~午後九時。【場所】グランドステイKOGO鳳凰の間。【ドレスコード】HAPPY。※参加不参加返信必須』

途端に、ウワァ、キャーッ、と歓喜の声が上がる。当然の反応だ。
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