迷走女に激辛プロポーズ
帝の社長とその一派はイベント好き。このようなパーティーを年数回開催する。それも突然。参加費無料で。勿論、皆参加する。

こういう場が苦手な私は毎回不参加表明をするが、毎回佑都に引っ張られ参加となる。

だが今回佑都は居ない! ニンマリほくそ笑む。
不参加だ、とボタンに手を掛けようとしたところで、誰かにスマホを取られる。

ん? 誰だ、と見ると……竜崎課長!

「子猫ちゃんは、参加っと」と勝手にプチッとされた。

ウアー! 何してくれるんだ!

スマホを取り返し、画面を見る。そこには『参加表明ありがとうございます。心よりお待ちしております』とお礼のメッセージが……。

嗚呼、終わった……私のマッタリ土曜日よ……さようなら……。

画面を見ながら、何度目かの溜息を付く。
しかし……このドレスコードのHAPPYって何? 幸せ……幸福?

今の私に一番縁遠い言葉だ。
相反して食堂内はパーティーの話題で大盛り上がりだ。

類に漏れず、この娘も……。

「楓様、ハッピーですって、今回は仮装大会でしょうか」

娘よ、そうなのか?
それは思ってもみなかった、と再び画面に目を落とす。
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