迷走女に激辛プロポーズ
話しを聞いていると、この二人しょっちゅうLINEで情報交換しているようだ。何の情報か……嗚呼、考えるだけ無駄。今更、何も言うまい……。

母手ずからのお昼を食べ終わった頃には、年齢を超えた旧知の親友みたいになっていたが……二人の今後が怖い。

大袈裟な母の見送りで、清香の待つエステ&ビューティーサロン『マイ・メープル』に着いたのは午後二時。

至福の施術を受け、ピカピカツルツルになり、その後、ゴテゴテでバサバサの化粧をされ、髪を大盛りのアップにされた。

「あのぉ、これを着るの……でしょうか?」

清香の用意した衣装は、真っ白いシルクのロングドレスだった。
シンプルだが、ラインの美しい上品なドレスだ。

清香にしてはまともだが……どの辺がHAPPYなのだろう、と疑問に思い、そして、アチャー、と思う。白は汚れが目立つ。

腹をくくった私は、どうせ参加するなら、ホテルの料理を思いっ切り食べよう、と思っていたのに……これでは服に気を使って食べられない。

不満気にしていると、突如、メドゥーサ清香降臨! たちまち石化する私。
気付けばドレスを纏い、八センチハイヒールを履いていた。
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