迷走女に激辛プロポーズ
この恒例イベントも、社食同様KOGOの良き慣習を真似たものだ。

その催しが、帝社長とその一派によって、奇抜で! ド派手で! 路線違いになっている、という点を除いては……だが。

本当、社長は何を目指しているのだろう……?
今後の展開が、楽しみでもあり恐くもある。

でも、まぁ、KOGO前総帥も帝社長も社員思いには違いない。
楽しく働ける会社は、従業員の士気も上がる。業績も右肩上がりとなる。
すると、お給料も上がり、貯金もいっぱいできる。
帝はそんな会社だ。ウン! 本当に、いい会社だ!

「楓様、お待たせしました」

遥香がプレートを二つ持って戻ってきた。
皿の上にはカナッペ三種とミニケーキ二種が乗っていた。
どれも美味しそうで可愛い。

そして、満面の笑みでプレートを差し出す遥香も可愛い。
その頬が、ウエルカムドリンクでほんのり桜色に染まっている。

納得だ……天使だ……。
普段以上に可愛くお化粧した彼女を見て、改めてそう思う。

清香と話していたが、どうやら今日、矢崎課長に告白するらしい。
恋する女性は美しい、と言うが、だからだろうか……。

私も恋する女に違いないのだが……お相手の男は今アメリカで何をしているのやらだ。

佑都のバカヤロー! 早く帰って来い!
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