迷走女に激辛プロポーズ
大皿の上には型で抜かれたケチャップ味のチキンライス、尾頭付きのエビフライ、ミニハンバーグ……スープカップにはコーンスープ。

どう見てもこれって、旗を立てればお子様ランチじゃない?

「これ、どうしたの?」

「ああ、惣菜をデリバリーした。で、そのまま出すのも何だから、知恵熱を出したお前をイメージして盛り付けてみた」

その理由にはムカつくが、完璧大人のお子様ランチを前に、空腹の方が勝った。早速、手を合わせ「頂きます」をする。

そして、半時。

「いやー、流石、老舗キッチンキッチンの惣菜だね。美味しかった。ご馳走様でした」

お腹が膨れ、すっかり元気になり機嫌もよくなった。

「そうか、それはよかったな」

佑都は、病は何処へ行った、と呆れながらも、機嫌よくしている私に、ホッとしているようだ。

「ケーキも有るけど、食べるか?」
「至れり尽くせりだねぇ。うん。飲み物はストレートティーをホットで宜しく」
「じゃあ、リビングで待っていろ」
「はーい」

すっかり寛ぎモードの牛子になった私は、自宅に居るように伸び伸びしていた。
ラグの上に腰を下ろし、テレビをつける。現れたのは、超絶イケメン。

遥香が言っていた国民的素敵カップルの男性モデル。佑都と同系の塩顔。
フーン、今、日本に来ているんだ。
実物に会ってみたいなぁ、と思いながら、改めてこの系統の顔が好きなんだと思い知る。
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