迷走女に激辛プロポーズ
「……私ね、本当はそんなにケーキ好きじゃないんだ。でも苺ショートだけは別。思い出のケーキだから」
「思い出?」
「そう、記憶の中の一番古いマイ・バースデー」
「幼児期の記憶って結構大人になっても尾を引くからな」
「そうだね」
幼い頃食べた苺ショートの思い出……ハッピーな時間だった。
だから、苺ショートは特別なのだろう。
だから亡き婚約者が特別に思えたのかもしれない。
日本で誕生日を迎える度、家族以外で祝ってくれた唯一の人だったから……大切な時間を共有した人だったから。
大切で特別……でも、愛していなかった……だから、あんな最低なことが願えたんだ。
「楓、何がそんなに悲しいのだ」
佑都がソファーから降りて右隣に座る。
「悲しいのかなぁ、私」
「後姿が悲しそうだった」
右側だけ温かい。
「佑都は悲しくないの? 大切な人と一緒に居られなくて」
「めちゃくちゃ悲しい」
胸がギュッと締め付けられる。
「……だから、一緒に住もうか? 俺たち」
「思い出?」
「そう、記憶の中の一番古いマイ・バースデー」
「幼児期の記憶って結構大人になっても尾を引くからな」
「そうだね」
幼い頃食べた苺ショートの思い出……ハッピーな時間だった。
だから、苺ショートは特別なのだろう。
だから亡き婚約者が特別に思えたのかもしれない。
日本で誕生日を迎える度、家族以外で祝ってくれた唯一の人だったから……大切な時間を共有した人だったから。
大切で特別……でも、愛していなかった……だから、あんな最低なことが願えたんだ。
「楓、何がそんなに悲しいのだ」
佑都がソファーから降りて右隣に座る。
「悲しいのかなぁ、私」
「後姿が悲しそうだった」
右側だけ温かい。
「佑都は悲しくないの? 大切な人と一緒に居られなくて」
「めちゃくちゃ悲しい」
胸がギュッと締め付けられる。
「……だから、一緒に住もうか? 俺たち」