あなたとホワイトウェディングを夢みて
第一章 イケメンは毎日がお疲れのようだ
今日も朝から、社内のある部署では慌ただしい時間が過ぎていた。
自社サイトが不具合を起こしているとの苦情が入り、昨夜から徹夜で修復作業を行っていたシステム部Web構築課は寝る間も惜しんで作業に取りかかっていた。
そんなWeb構築課の隣に位置する情報処理課では、その業務には一切関わっていない為、のんびりとした時間を過ごしていた。
「お隣は昨夜から大変ですね。私はWeb構築課じゃなくて良かったわ」
そんな呑気なセリフを言い乍ら、コーヒーを片手にパソコンの画面を眺めているのは、澤田家具(株)情報処理課に入社して三年目の佐伯留美(さえき るみ)だ。
中高時代から自他ともに認める「がり勉で真面目」な留美は、大学時代も当然の如く成績は優秀で、「挫折」とは無縁の人生を送ってきた。
だから、就職活動も自分の思惑通りの流れで、全てが満足いく道を辿って来たつもりだ。
入社したこの会社での仕事も、上司や先輩には高い評価を貰えている。
そんな留美が現在担当しているのは、主に様々な部署で使用するフォームの作成と不具合の修正だ。
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