狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
そして迎えた出張当日___
新幹線の指定席。
「お茶~、コーヒー、お弁当など…」
「うわあ。リーダー、大神さん。
お弁当売ってますよ。ね、どうします?」
私は田舎者なのだ。
新幹線など久しく乗ってないもんだから、すっかり浮かれてしまっていた。
「ばか、遠足じゃないんだ」
「……ハイ」
そう、旅の連れは大神リーダー。
にべもない返事の後、彼は再びタブレットに目を向けた。
ふんだ、いいもんね。
自分の分だけ買ってやる。パッと手をあげ、添乗員のお姉さんを呼び止めた。
「お姉さん、お弁当1つ…」
「2つ」
すかさず彼が割り込んだ。
何よ、結局自分も欲しいんじゃない。
「……何だよ」
「別に?」
彼は私を一瞥すると、さっと千円2枚をお姉さんに渡した。
頬を赤らめたお姉さんに、キラリとスマイルも忘れない。
…ホント、
外面だけは完璧なんだよねぇ。
私はお弁当を2つ受け取ると、1つを彼に差し出した。
ゴソゴソとバッグの中からお財布を取り出す。
「あの、お金…」
「いい、いらない」
渡そうとした千円札を押し戻し、彼はパタンとタブレットを置いた。
新幹線の指定席。
「お茶~、コーヒー、お弁当など…」
「うわあ。リーダー、大神さん。
お弁当売ってますよ。ね、どうします?」
私は田舎者なのだ。
新幹線など久しく乗ってないもんだから、すっかり浮かれてしまっていた。
「ばか、遠足じゃないんだ」
「……ハイ」
そう、旅の連れは大神リーダー。
にべもない返事の後、彼は再びタブレットに目を向けた。
ふんだ、いいもんね。
自分の分だけ買ってやる。パッと手をあげ、添乗員のお姉さんを呼び止めた。
「お姉さん、お弁当1つ…」
「2つ」
すかさず彼が割り込んだ。
何よ、結局自分も欲しいんじゃない。
「……何だよ」
「別に?」
彼は私を一瞥すると、さっと千円2枚をお姉さんに渡した。
頬を赤らめたお姉さんに、キラリとスマイルも忘れない。
…ホント、
外面だけは完璧なんだよねぇ。
私はお弁当を2つ受け取ると、1つを彼に差し出した。
ゴソゴソとバッグの中からお財布を取り出す。
「あの、お金…」
「いい、いらない」
渡そうとした千円札を押し戻し、彼はパタンとタブレットを置いた。