狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「ダメですよ!カチョー。
ちゃんと病院行かなくちゃ。せめて薬だけでも、ね?
確かこの中に熱冷ましがあった筈……」

私は嬉々として袋を探る。

「だからいらないって……もう帰れよ。風邪が染るから」

心底嫌そうな顔で言う。

「フフフ…残念。私にはもう染りません。あった!はい、コレどうぞ」

「要らねえって」
「ダメ‼」
 
と、腹に据えかねたのか、ギロリと睨んで言い放った。
 
「じゃあ、飲ませてみろよ。

お前の……

口移しでなら飲んでやる」


「は、はい?」


思考停止。

え、え~っと…何それ?
お口から……お口に?

 
しばしの沈黙の後、彼はニヤっと意地悪く笑った。
「フン、冗談だよ。早く帰れよ、暗くなる。どうせ明日から里帰りすんだろ」

腕を組んで枕にし、涼しい顔で天井を仰ぐ。

くっそお……よぉーし、見てろ。

私はバッと立ち上がり、テーブルを回って彼の下にひざまづいた。

「な、何だよ…さっきのはジョーダンだぞ?おい…」
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