狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
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その日。
こっちの方で会議があったという彼から突然、ランチタイムに着信があった。

『夜、ゴハンでもどう?』 
『ヨロコんでっ』
私は即座に返信を打った。

「あれ、トーコ。それ何~?」
一緒にお弁当を食べていた、総務の同期、実果ちゃんがニュッと着信画面を覗きこむ。

「え、イやその…」
「うそっ、何コレ。カレシ?燈子ったらいつの間に?」

「ま、まだカレシってわけじゃないけど……」
「え~?」
困った顔をしながらも、皆に詰め寄られて私は有頂天だった。
こんなのって……初めてだ。 



終業の合図と共にそそくさと退社した私は、待ち合わせの駅で彼と合流した。
 
1月ぶりにあう彼は、やっぱりステキだ。
会議仕様のブラックスーツは細身の身体によく似合うし、長めの髪をバックに流したヘアスタイルもキマッてる。

そして、細い縁のメガネの奥で優しげに細める瞳は、初めて会った日と変わらない。
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