狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
17 似合わぬ愁い
社会人になって、3度目のクリスマス・ソングのシーズンがやってきていた。
ウキウキと浮かれ気分の街並みに、歳末の忙しさも重なって、どことなく皆浮き立つ季節。
だけどそれとは裏腹に、私の心は深い霧の海に沈み込んでしまっている。
ああ、私は
貝になりたい……
「おいっ」
パンッ。
衝撃音とともに、目の前の空気が震えた。
「うわっ……」
突如、現実世界との回路が繋がった私の目に、覗きこんでいる三上さんの顔がアップで写る。
「はいこれ。プリントアウト、終わってるよ?」
仰け反った私に、三上さんは用紙の束を手渡した。どうやら私は、相当長いことコピー機の前を占領していたらしい。
「す、スイマセン。ありがとうございます」
慌てて席に戻ろうした私の肩を、三上さんはチョイッとつついた。
「待ってよ、元気ないじゃん。
どした?」
いつもの軽い調子(ノリ)で訊ねる。
「何かあったの、んん?」
「ええっと…その…」
なくは……ない。
ウキウキと浮かれ気分の街並みに、歳末の忙しさも重なって、どことなく皆浮き立つ季節。
だけどそれとは裏腹に、私の心は深い霧の海に沈み込んでしまっている。
ああ、私は
貝になりたい……
「おいっ」
パンッ。
衝撃音とともに、目の前の空気が震えた。
「うわっ……」
突如、現実世界との回路が繋がった私の目に、覗きこんでいる三上さんの顔がアップで写る。
「はいこれ。プリントアウト、終わってるよ?」
仰け反った私に、三上さんは用紙の束を手渡した。どうやら私は、相当長いことコピー機の前を占領していたらしい。
「す、スイマセン。ありがとうございます」
慌てて席に戻ろうした私の肩を、三上さんはチョイッとつついた。
「待ってよ、元気ないじゃん。
どした?」
いつもの軽い調子(ノリ)で訊ねる。
「何かあったの、んん?」
「ええっと…その…」
なくは……ない。