狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
彼は着衣を急いで整え、すぐさま私を車に乗せて家まで送り届けてくれた。

帰りの車中。
私はカレとこのまま気まずくなってしまうのがイヤだった。

だから私は懸命に、バカげた話をしていたが、カレはずっと冷ややかに固い返事を返すだけだった。

会話は次第にプツリプツリと途切れていって、楽しかったはずの1日の終わりは、まるでお通夜みたいになっしまった。



その日を境に、寺田サンとのやり取りは日に日に短く、間隔を開けるようになっていた。
そして終には一昨日、
『忙しくってしばらく連絡出来ない、ゴメン』
というメッセージが送られてきた。

カレとは2回デートしただけ、しかも付き合おうって言われたその日のうちに気まずくなって……

クリスマス前なのに、このままフェイドアウトで終わるのかなって気がしてる。

それはそれでやるせないが。


だけど私の心を深くに沈めてしまっている原因は、もっと別なところにあった。


そんな事に気付かなかっただなんて。

私ってば

何て情けないんだろう…
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