狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「大神く~ん、ちょっと待って~」
会議室からツルリとした恰幅の良いオジサンが出てきて、こちらに早足でやって来る。
「副社長!
ゴメン赤野、また後で…」
慌てて踵を返した私を、副社長は呼止めた。
「ああ、いいよ君。すぐ終わるから待っておきなさい」
私はカチョーの後ろに控え、俯き加減にチラ見する。初めて見た、ウチの副社長ってこんなイージーなオジサンなんだ。
「…実はね、ンフフ。大神君に良~い話があるのよ~」
彼はホクホク顔で言うと、白い紙袋から四方形の薄いアルバムを取り出した。
「ホイ。これね、僕の姪。今ロンドンに留学中。どうよ美人だろ~?」
それってマサカ…
ついそれを覗き込んだ私は、ギクリと肩を震わせた。
何となく……分かった気がする。
カチョーも同じく、趣旨に気がついているようだ。
「そそ、それが何か…?」
トボけて見せても、その声は強張っていた。
副社長は、ニイッと笑って話を始めた。
「イヤだなあ、アキちゃん(カチョーのコトらしい)ったら、分かってるくせにイ~」
…………
副社長が去った後。
まるで嵐が去ったかのように茫然とし、大神カチョーが私に尋ねた。
「ああ。それで、赤野の用事は何だっけ?」
会議室からツルリとした恰幅の良いオジサンが出てきて、こちらに早足でやって来る。
「副社長!
ゴメン赤野、また後で…」
慌てて踵を返した私を、副社長は呼止めた。
「ああ、いいよ君。すぐ終わるから待っておきなさい」
私はカチョーの後ろに控え、俯き加減にチラ見する。初めて見た、ウチの副社長ってこんなイージーなオジサンなんだ。
「…実はね、ンフフ。大神君に良~い話があるのよ~」
彼はホクホク顔で言うと、白い紙袋から四方形の薄いアルバムを取り出した。
「ホイ。これね、僕の姪。今ロンドンに留学中。どうよ美人だろ~?」
それってマサカ…
ついそれを覗き込んだ私は、ギクリと肩を震わせた。
何となく……分かった気がする。
カチョーも同じく、趣旨に気がついているようだ。
「そそ、それが何か…?」
トボけて見せても、その声は強張っていた。
副社長は、ニイッと笑って話を始めた。
「イヤだなあ、アキちゃん(カチョーのコトらしい)ったら、分かってるくせにイ~」
…………
副社長が去った後。
まるで嵐が去ったかのように茫然とし、大神カチョーが私に尋ねた。
「ああ。それで、赤野の用事は何だっけ?」