狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
22 サヨナラ課長
人の噂は早いもので、大神カチョーの見合い話は2、3日もすれば、知らない者はいなかった。
大神さんは、とうとう誰かのものになる。もう上司でも無くなって、遠く離れて行ってしまう____
「いやぁ、しかしこういう結末になるとはね~」
「……何がです?」
沈んだボンヤリさんに逆戻りしてしまった私は、誤って大量発注してしまった “現場用スパイク付き長靴” を、三上さんと一緒に地下の備品庫に運び込んでいるところだ。
「イヤ、俺は1月中に君たち2人がくっつく方に賭けてたからさ。チクショウ、水野さんに1万もってかれた~」
賭けるな。
頭の中でツッコミを入れたが、言葉にする気力がない。
「…そんなにバレバレでしたか。私は」
「エ?そりゃあまあ……
向かい合わせですから?でもアレだね。赤野さん近頃、日めくりカレンダーみたいにバイオリズムが変わるよね。
それだけ乱高下したら、かなりキツいでしょ?」
「………」
私が無言で扉に鍵を差し込んだのを、彼は気を悪くしたと誤解したらしい。
大神さんは、とうとう誰かのものになる。もう上司でも無くなって、遠く離れて行ってしまう____
「いやぁ、しかしこういう結末になるとはね~」
「……何がです?」
沈んだボンヤリさんに逆戻りしてしまった私は、誤って大量発注してしまった “現場用スパイク付き長靴” を、三上さんと一緒に地下の備品庫に運び込んでいるところだ。
「イヤ、俺は1月中に君たち2人がくっつく方に賭けてたからさ。チクショウ、水野さんに1万もってかれた~」
賭けるな。
頭の中でツッコミを入れたが、言葉にする気力がない。
「…そんなにバレバレでしたか。私は」
「エ?そりゃあまあ……
向かい合わせですから?でもアレだね。赤野さん近頃、日めくりカレンダーみたいにバイオリズムが変わるよね。
それだけ乱高下したら、かなりキツいでしょ?」
「………」
私が無言で扉に鍵を差し込んだのを、彼は気を悪くしたと誤解したらしい。