狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「……で、一体どういう事なんですか。
まさかホンっとに行かなかったの?」
丸いコタツを挟んで正座すると、ギッと睨んで問い詰める。
しかし彼は何食わぬ顔で、私が出したホットコーヒーのマグを両手で抱えて暖をとっている。
「ハハ…いつもと形勢逆転だな」
「はぐらかさないで下さいよ‼」
怒りながらも、胸が踊るのを止められない。
「そう怖い顔するなよ。ブサイクに見えるぞ」
「な、なにをっ!
ああっ、そういえばスッピン……」
+(プラス)ジャージ。
思わず顔に手を当てた私を見て、彼は穏やかに目を細めた。
頬杖をつき、おもむろに語りだす。
「自分でもよく分からないんだ。
……気が付いたらここに来ていたというか。とにかく……とても困ってる」
「そりゃあそうですよ!
まさかアナタが、副社長マターをスッポかすなんてバカなマネ……」