狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「うん。俺、実は彼女と別れたばっかでさ。今年はフリーの仲間で鍋パーティ」

「へぇ~、いいんですか?面識ないですけど…」
言葉とは裏腹に、弾んだ声で問いかける。

「ああ構わないよ、気のいい奴らだし。あ、良かったら水野さんもどうです?」

「アラ、私は結構よ。用事があるの」
「えー、水野さんの用事って、気になるな~…」


2人が話しているさ中、私はフルフルと感慨に浸っていた。

三上さん、何てイイ人なんだろう。

予定も何も、他に予定なんか入るワケがない。
嬉しい…今年はともかくも、一人でワンホールのケーキをヤケ食いする必要は無いのだ!

喜びのあまり、私はさっきの落書きプリントをビリビリと裂いた。

と、ちょうどその時、パソコンを叩いていた大神カチョーがニコニコしながら私のデスクにやって来た。

「おい赤野、あれ。今日の大日興産からの注文書、見せてくれ」
「ああ、それならココに……」

私はデスクを見渡した。
無い。

恐る恐る手元を見る。
カチョーも私の目線を追う。

そして……

「「あ~~~~~~‼‼‼‼」」

同時の叫び声が、課のフロアに響き渡った。


「破っちゃった」
小さく舌を見せ、私はテヘッと誤魔化し……
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