七夕のキセキ~七夕から始まる恋の魔法~
今日は七夕だな…。

俺も案外ロマンチストで、七夕は大好きだ。

織姫と彦星が年に1度逢える日…。

だから俺らは、近くの大きな笹を一緒に見に来ている。

短冊に願いを書くために…。

お前と過ごす七夕も2回目だな…。

今年もお前はあの願いを短冊に書くのだろうか?

『恋人の蒼に逢いたいー』

去年もお前はそう書いてた。

逢えるわけなんて無いのに…。

だから俺も去年は同じことを書いた。

と言うより、灯の願いが叶いますようにと。

けど、今年はそんなこと書いてやれる気分になれなくて…

短冊を前に険しい顔で悩んでいる。

片想いってこんなに辛いんだ…。

今までも何回かは恋愛してきたけど…こんな辛いのは初めてだ…

そばにいたい。ただ純粋にそう思う。

たとえアイツのことまだ好きでも…。

ふと灯が俺の顔を覗きこんで、

「ヒロくん?どしたの…?」と聞いてきた。

灯は俺のことを『ヒロくん』と呼ぶ。

まぁ、名前が宏樹だから仕方ないんだけど
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