タイム・リミット
距離

それは突然

2008年4月、K高校入学式。

私、佐々木双葉は、同じ新入生に混じって整列していた。
あまりの退屈さに、時折、あくびを漏らす。
この後に、さらに退屈な時間待っていると思うと、テンションは急降下してくる。


「ねぇ双葉、すごいね、桜の木。」
「あ、あぁ、うん。」

不意に背後から優子に話しかけられて、あわてて桜の機に目を移す。
見渡していると、一際大きい木に、目がいった。
見とれていると、その影に人影を見つける。
高めの背の、男子生徒――――・・・。
彼は双葉に気がつくと、にっこりと微笑んだ。

「双葉、名に見てるの?ねぇ。」
「・・・・・・。」


彼氏いない暦15年、加えて恋愛未経験だった私に、
少し送れて春が来た瞬間だった。


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