君色キャンバス


「ずっとなんで気持ち、伝えなかったんだろうって後悔してた。

 あの時一之瀬君の手を離したけど、本当はずっと一緒に居たかった!
 でも一之瀬君のこと、応援しなきゃって。

 私……一之瀬君しか好きになれない!!」


『――俺も、同じ』


 ただただ好きな人の隣で一緒に笑い合って、幸せの足跡をつけたい。


 けど、
 けどね……。

 その気持ちだけじゃあ、私たちの想いは繋がらない。


『俺の側に中野が居て欲しい。
 ……この意味、分かる?』

「……分かるよ」


 繋いだ手は、未来は、私たちの手の中に輝こうとしていた。


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