君色キャンバス

 私……一之瀬君が好き。

 その気持ちに嘘をつきたくなんかない。


 もう一之瀬君の背中を目で追うのは嫌だから。



――ごめんね、ごめんね……。


 私、一之瀬君の元に行く。

 そしてこの気持ちを全部伝えたい。

 

 携帯のバイブがまた再び鳴り始めた。

 携帯を手に取り、開くとメールが受信していた。


 送り主は“北村優”――。


 ドクンと心臓が跳ねた。

 北村君のメールを見ればなんだか現実を見てしまいそうだったから。


 ……ダメ!



 このメールを見るときっと私の決心は揺らぐ。


 そう予感していたのに。


 私は受信したメールを開いてしまった。
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