君色キャンバス

 怖くて、

 恐くて――

 
 1人になったのを改めて実感したあの日。

 急に胸にすっぽりと開いた穴。

 消すことも、拭うことも出来ない。


 真っ暗に染まる部屋が、あの日を蘇らせて、何度も何度も壊れた。

 涙も枯れるほど流し続けた。
 
 でも俺の居場所はここだけ。

 離れることも、失うことも出来なかった。


 いつも、いつも、俺に孤独感はつきまとい、満たされない思いに腹が立ち、そして広がる虚無感。

 感情も心もいつのまにか捨ててきた。


 それが俺の“運命”なんだと勝手に決め付けて。


 
 
 でも。

 ……本当は。
 
 誰か1人でもいいから俺の過去に差し伸べてくれる光が欲しかった。


 眩しいくらいの光を。


 この胸いっぱいに。





 
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