君色キャンバス
中野は俺の眼をただ真摯に見つめていた。
いつからなんだろう。
君が僕を照らす“光”になったのは。
君が魅せた透明で純粋なセカイは俺の孤独感を砕け散らせた。
心から、言いたい言葉は。
あの時と同じでまだ見つけられない。
「あ、“天使の梯子”」
中野が指した指先には雲の切れ間から光が差し込み、まるで空のカーテンのような景色が青空いっぱいに広がっていた。
その光景を眺めていると、不思議と何もかもが真っ白に思えた。
感情も、過去も、何もかもが、この青空と一緒に一色に染まっていってしまったような。