君色キャンバス
一之瀬君が好き。
その気持ちが抑えられない。
離れたくない。
側にいて欲しい。
また1人で勝手に決めて、また1人で背負い込む一之瀬君の姿を目で追うのは辛い。
自分が無力なのを知ってるからこそ。
「……中野……」
一之瀬君はそっと自分の心臓の位置に手を置く。
途端に思い出す。
自分がさっきやった行動を。
「俺ら、繋がってるんだろ?」
きゅっと胸が締め付けられてく。
一之瀬君の眼を見れば今までとは違うような感じがした。
澄んでいて、何かを掴んだかのような。
「見つかったんだね」
「ああ」
「聞かせてくれる――?」
私はその眼でなんとなく理解していた。